低濃度アトロピンで近視の進行を予防
正岡眼科では近視の進行予防のために、新しい治療法を始めることにしました。
アトロピンという目薬を100倍に薄めて点眼する方法です。
海外の論文では、副作用を最小限にして、なおかつ十分な近視進行抑制効果が得られるということが示されています。
100倍に薄めれば散瞳作用も調節麻痺作用も通常問題にはなりません。報告でも、ピントが調節力、瞳孔の大きさ、近方視力とも無投薬群との差は無視できるほど小さかったとのことです。そのほかの副作用として、アレルギーがありますが、これは投与を中止すれば治りますから心配いりません。
なぜアトロピンが効くのか?現時点では不明です。以前は調節麻痺作用を介して効くと考えられていましたが、今では眼軸長(目の奥行きの長さ)を進展させる働きのあるムスカリン受容体をアトロピンが直接ブロックして、眼軸長の進展を抑えているのではないかといわれています。
低濃度アトロピン投与の対象者は『近視が進行しそうな子供』です。近視は小学校低学年から高校くらいまで進行するリスクがありますから、何年も続けることになります。また、眼鏡処方した場合でも、近視を進行させない意味があるのでご希望により継続することもできます。
目薬は1日1回就寝前点眼です。